日本うつ病学会が「コロナうつ」を防ぐための自己管理法を紹介

心理学 2020/04/27
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「あの有名人もコロナで亡くなってしまった」「自分もいつ感染するかわからない」「外出自粛はいつまで続くんだろう…」世界中の人々の心に、こういった不安やストレスは日々積み重なっていっています。

愛知県にある松崎病院の精神科医・鹿目将至氏によると、2020年3月下旬のある日に診察した患者68名のうち58名が新型コロナウィルスへの強い不安を訴えました。患者の8割以上が同じ不安を抱く状態は、東日本大震災を含めて一度もなかったそうです。

いつまで続くかわからない外出自粛、社会的孤立、先行きの見えない未来、景気の悪化など、新型コロナウィルス感染拡大によるストレスが「コロナ疲れ」を引き起こし、それが積み重なると「コロナうつ」と呼ばれるうつ状態になってしまう危険があります。

今回は、日本うつ病学会が公表した「コロナうつ」を予防するための方法を詳しくご紹介します。

「コロナうつ」の予防法:体内時計を整える自己管理術編

これまでは通学・通勤で、計画的に安定したスケジュールを送ってきた人も、外出自粛の要請により慣れない生活を余儀なくされました。こうした新しい生活スタイルによって生活リズムが崩れ、体内時計がスムーズに動かなくなってしまう恐れがあります。

体内時計は、心を穏やかに過ごすために役立つ脳のメカニズムの1つ。体内時計が乱れると、うつ病だけでなく糖尿病や肥満、がんなどを引き起こす可能性が高くなり、心身の状態が悪化してしまいます。

以下では、日本うつ病学会が公表した「新型コロナウィルス感染拡大の状況下における体内時計を整える自己管理術」をご紹介します。重要なポイントは、自分自身で毎日決めて行う「日課」を設定することです。

毎日、同じ時刻に起きる

体内時計をスムーズかつ安定して動かすために、毎日同じ時刻に起きましょう。

毎日、一定時間を屋外で過ごす

密閉・密集・密接の「3つの密」を避けられる場所で、日光を浴びましょう。日光は、良質な睡眠に欠かせません。時間は午前中の早い時間帯が理想です。

外出できない場合は、少なくとも2時間は窓際で過ごす

日光を浴びながら、心を落ち着ける時間を作るようにしましょう。

仕事・勉強など毎日行う活動は、やる時間を決める

日によって時間帯や時間を変えるのではなく、できる限り毎日同じ時間に行いましょう。

毎日、運動をする

外出自粛や仕事をテレワークに切り替えた人など、多くの人の運動量が減っていると予想されます。乱れた生活は「コロナうつ」だけでなく、体力が失われ免疫力が低下することによって引き起こす風邪やインフルエンザを患うリスクも高めてしまいます。

毎日、同じ時間に食事をとる

食事の時間になっても、お腹が空いていない・何も食べたくないという状態があるかもしれませんが、それでも少量でも良いので何か口にするようにしましょう。

毎日、同じ時間に人とコミュニケーションを取る

ソーシャルディスタンスが重要な今の状況でも、人との交流はとても大切。音声だけの通話でも、ビデオ電話でもどちらでも大丈夫なので、リアルタイムで気持ちや考えを共有できる人を繋がりを持ちましょう。

通話ができない人は、LINEでメッセージをやり取りするだけでも効果があります。そういったコミュニケーションを、できるだけ毎日同じ時間に行うようにしてください。

日中の昼寝を避ける

日中に昼寝をすると、夜の深い睡眠を妨げてしまいます。特に午後遅くの昼寝は避けるようにしてください。もし、どうしても昼寝が必要な方は、最大でも30分以内に抑えるようにしましょう。

夜間のブルーライトを浴びる時間を減らす

LED照明、電子書籍、PCやスマートフォンのディスプレイから発するブルーライトは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制します。夜間はブルーライトを浴びる時間を少なくできるよう気をつけてください。

毎日の起床・就寝の時間を決める

自分に合った起床・就寝時間を決めて、一環して睡眠リズムを保つようにしましょう。夜型の人は、家族より遅く寝たり、少し早く起きることになったとしても大丈夫です。大切なのは、毎日同じ時間に起き、寝ることです。

「コロナうつ」の予防法:その他

体内時計を整える他にも、以下でご紹介する事項を行うことで「コロナうつ」を防ぐことができます。

自分の症状を冷静に見つめ「これはコロナのせい」と自覚する

「コロナに感染したらどうしよう」と不安な気持ちになるのは、みんな同じです。「こんなに不安になるなんて私はおかしい」と考え、責めるのはやめましょう。

松崎病院の精神科医・鹿目氏によると、不安が高まった時は「きっとコロナによって自分はいつもよりも不安になっている」「敏感になっている」と認め、受け入れることが大切とのこと。落ち着いて自分の症状を確認するようにしましょう。

ニュースを追いかけるのをやめる

連日、新型コロナウィルスに関するニュースが流れていますが、ネガティブな情報に触れ続けると、自然とネガティブな気分に支配されてしまいます。

「ネガティブな気持ちになってきているな」と感じたら、意識的にポジティブなニュースや話題に触れたり、好きな音楽を聴く・好きな食べ物を食べるなど気持ちが明るくなる行動を行うと効果的です。

明るい未来を予測する

コロナの感染拡大が収束した後の未来を思い描き、前向きな気持ちを持つことも、「コロナうつ」の予防に繋がります。

具体的には、未来で自分は何がしたいのか、どう生きたいのか、小さい頃の夢はなんだったかなどを考えたり思い出すのも良いでしょう。

長期戦となるコロナとの戦いの中で重要になるのは「心のコンディション」

今回は、今日からできる「コロナうつ」を予防するための方法をご紹介しました。

精神的ストレスは目に見えないため対策が遅れ、人によっては気づいたら動けなくなっていたという人もいます。そして、うつ状態になってしまうと、回復するには多くの時間とエネルギー、お金がかかります。

コロナの感染拡大が収まったとしても、その後にはコロナによる不況が訪れると予想されています。これから先、長期戦となるコロナとの戦いの中で、自分や大切な人を守るには、やはり心の状態を万全にする努力が必要です。

ネガティブな気持ちになっていると感じている人はもちろん、「今はまだ大丈夫」と思っている人も、ぜひご紹介した予防法を実践してみてください。

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reference: 日本うつ病学会, PRESIDENT Online, FNN PRIME online, OMRON/ written by Cocology編集部

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