ご褒美でやる気を高める!エンハンシング効果とは?

心理学 2020/04/30
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「子どもが言うことを聞いてくれない」「部下のやる気を引き出せない」と、家庭や仕事において周囲のモチベーション管理に悩むことはよくあります。なかなか相手のやる気を引き出せないとこちらまでイライラしてしまい、さらに相手のやる気を削いでしまうことも…。

今回は、「エンハンシング効果」と呼ばれる心理効果を使った、相手のやる気を引き出すコツをご紹介します。

エンハンシング効果とは?

エンハンシング効果とは、ご褒美などを与えることで内発的動機づけが高まり、やる気が上がる効果のことです。

人が何かをするときの動機には「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の2つがあります。内発的動機づけが自分自身がそれを楽しみたい、それをやりたいと湧き上がる気持ちをもとにその行動に至るのに対し、外発的動機づけではお金や物、周囲からの称賛などの外部要因を動機として行動します。

「ご褒美を目的にすると、最初はよくても、またやる気が下がるのではないか?」と思う方もいるかもしれません。たしかに極端な報酬を与え続けることで内発的動機づけが弱まってしまうことは、数々の実験で示されています。これを「アンダーマイニング効果」と呼びます。

しかし、人は必要な場面で適切な報酬をもらえなければ、だんだんとやる気をなくしていってしまいます。エンハンシング効果のように最初は報酬が目的でも、それをきっかけとして自発的な行動ができるようになることもあるのです。一概にご褒美がダメということではなく、適切な場面で褒めたり認めたりしてあげることが、やる気を引き出すために大切です。

家庭や仕事でのエンハンシング効果の例

エンハンシング効果とは、具体的にどのような場面で起こるのでしょうか? ここでは、家庭や仕事でのエンハンシング効果の例について見ていきましょう。

家庭で、なかなか子どもが勉強をしてくれない、片付けや家事のお手伝いをしてくれない、といったことはよくあります。強く叱ってしまうと余計に反発されてしまうことも…。もちろん、必要なときには強く言って聞かせることも大切ですが、やる気を引き出すには子どもの好きなご褒美を用意して行動を促すことも必要です。

「問題集のここまで終えたらおやつにしよう」「お片付けができたら好きなお菓子を買いに行こう」など、ゴールを設定したうえで子どもにとって魅力的なご褒美を用意してあげてみましょう。単にああしなさい、こうしなさいと言うよりも、子どもは「ご褒美があるならちょっと頑張ってみようかな」とやる気を出せるでしょう。

そうして「やるべきことをやる」→「ご褒美がもらえる」のパターンを繰り返すうちにやる気が高まって、ご褒美がなくても自分から行動できるようになっていきます。これがエンハンシング効果です。

エンハンシング効果は子どもだけでなく大人にも有効です。仕事におけるボーナスや社内表彰制度などはエンハンシング効果を期待して活用されている例といえるでしょう。

心の底から好きな仕事であれば、周囲からの称賛やボーナスがなくても意欲的に仕事に取り組めるかもしれませんが、すべての人がそうであるとは限りません。そこで、ボーナスや社内表彰制度といった報酬や称賛を使って、最初はそれをきっかけとして仕事に前向きに取り組めるようにするのです。一度、そうして自分の行動や成果を認められると、「認めてもらえたから次も頑張ろう」と次回からは意欲的に仕事に取り組めるようになります。

適度なご褒美や褒めることは大切!

ご褒美を目的に頑張ることは、必ずしも悪いことではありません。やる気を引き出し、高める最初のきっかけとしてご褒美を用意して行動を促すことは、その後のやる気を持続させるためにも有効な手段です。

相手のやる気が出ないことに困ったら、「どんなご褒美があればこの人はやる気を出してくれるだろう?」と考えてみて、適度にご褒美を与えたり褒めたりする機会を用意してみてくださいね。

間違えやすい「自己肯定感」と「自己愛」の違いとは

reference:藤井正隆『社員を大切にする会社ほど伸びる理由』クロスメディア・パブリッシング(インプレス),水野達朗『子どもには、どんどん失敗させなさい: わが子が12歳になるまでに知っておきたい「自信あふれる子」の育て方』PHP研究所 / written by Cocology編集部

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