2つの相反する情報があると混乱してしまう「ストループ効果」ってなに?

仕事の心理学 2020/04/13
Credit: depositphtos

ストループ効果は、2つの意味の異なる情報が同時に示されることで、脳が混乱したり、処理速度が遅くなったりしてしまう心理効果のことです。

いわば矛盾が生じることによる脳の混乱ともいえるストループ効果。もし、仕事がうまくいかないと感じていたら、知らずしらずのうちにこのストループ効果を招いて相手を混乱させてしまっている可能性も…。

今回はストループ効果の内容や仕事でストループ効果を回避する方法についてお伝えします。

ストループ効果とは?

ストループ効果とは、2つの意味の異なる情報が同時に示されると、反応速度が遅くなる心理効果をいいます。

ストループ効果を示すものとして有名な実験があります。被験者に最初に「今から見せる紙に書かれた文字の意味ではなく、文字の色を答えてください」と伝えておき、青色のペンで書かれた「赤」という文字を見せます。この問題の正解は青ですが、被験者は回答までに時間がかかってしまうのです。

同様に、インクの色ではなく文字の意味を答えてもらう場合でも回答までに時間がかかってしまうことがわかっています。これを逆ストループ効果といいます。

ストループ効果が起こる原因

ストループ効果が起こる原因は、2つの意味が異なる情報が同時に示されることで、脳が混乱し、処理が遅れてしまうことにあります。

ストループ効果が起こる要因として、次の3点が考えられています。

  • 色と文字の2つの刺激が同時に入ってくることによる知覚的処理の遅れ
  • 文字を読む速度と色の名前を答える速度そのものの違い
  • 色、文字のそれぞれの概念が異なることによる処理の遅れ

この混乱や処理の遅れには個人差があり、中には実験をしてもストループ効果や逆ストループ効果が起きない人もいるのです。

逆ストループ効果においては、統合失調症などの一部の精神疾患やADHDなどの発達障害にも関係することがわかっており、それらの病気や特性を持つ人の注意力を図る方法として注目されています。今後は、そうした方々の病気や特性の治療・支援に逆ストループ効果が活用されることがあるかもしれません。

ストループ効果の活用例

広告やデザインの場では、ストループ効果が使われています。ストループ効果では文字の色と意味が異なると、それを見た人が違和感を持ってしまうため、それが起きないように文字の色を工夫しています。

また、文字色と文字の意味以外にも、示されている情報に矛盾がないか注意することも大切です。たとえば、「お電話はこちら」と書いてあるのに電話番号が書いていなかったり、20代女性におすすめと書いてありながら商品のデザインが高齢男性向けだったりすると、それを見た人は混乱してしまいます。

こうした「言っていることと実際のことが違う」という違和感は商品やサービスの信頼を失う可能性があります。そのため、広告やデザインではストループ効果による違和感が生じないように工夫されているのです。

正しく伝えるためには「矛盾がないか」を確認!

ストループ効果は大まかに言えば、2つ以上の情報が矛盾していることで起きる違和感や混乱のこと。もし仕事のプレゼンや部下への指示などでうまく伝わっていないと感じる場合には、相手の理解力を疑う前に伝えたい内容と実際に示している内容に矛盾がないか振り返ってみましょう。

矛盾する情報があると混乱してしまうという誰にでもある特性を知っておくと、仕事もスムーズにいくかもしれません。

 

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reference:ストループ効果 箱田研究室@九州大学大学院人間環境学研究院,中山マコト『チラシの教科書』 すばる舎 / written by Cocology編集部

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