「終わりのない不安」に対処する方法とは?本質を理解して上手に付き合うコツ

心理学 2020/04/08

「大きな病気にかかったらどうしよう…」「仕事をクビになったらどうしよう…」

こういった「タラレバ」の不安は、実際に起こるかどうかわからない不確実なものです。

不確実なものに恐怖や不安を抱くのは、それらが目に見えなく曖昧で、実物するものとは違って物理的に逃げることができないから。

多くの人が、この不安を早く取り除こうと誤った対処を取った結果、悩みの袋小路にはまってしまうのです。今回は不安の特徴を踏まえ、不確実性によって生まれる不安を効果的に対処する方法をご紹介します。

誤った不確実性の回避の方法

まず最初に、多くの人が陥りがちな、誤った不確実性の回避の仕方についてご説明します。

答えが出るまで考え続ける

不安な気持ちは、一刻も早く手放したいものです。そのため、今後起こるかもしれない不確実な事態を避けるために誤った回避の方法をすぐに取ってしまう人が多くいます。それは、「不安を取り除こうとする」ことです。

例えば、「仕事を失うかもしれない」という心配をするとします。仕事を失うかもしれないという不確実なことが不安を引き起こします。

「この不安は持っていたくない。早く取り除きたい。そのために、クビになるかならないかが確実にわかるまで考え続けよう」と考え始めると、頭はそのことでいっぱいになり、何も手につかなくなってしまうでしょう。

不安に思っていることが起こらない理由を考える

上記とは逆に、仕事を失わない理由を考えることも、誤った不確実性の回避の方法です。例えば「大きな失敗をしていない」「正社員だからすぐにクビになるとは考えられない」「上司からの評価は良いし、営業成績も悪くない」といった理由を考えます。

この方法は、たしかに不安を緩和すること効果がありますが、一時的に不確実性を避けたに過ぎません。時間が経つにつれ「でも結局どうなるかなんて誰にもわからない。私が仕事を失わないなんてどうして言い切れるんだろう?」という疑問が生まれます。

そしてまた自分が納得する答えが出るまで悩み続けてしまうのです。

不安の特徴

不安にはいくつかの特徴があります。以下の特徴を踏まえて、最後に不安の対処法をご紹介します。

取り除こうとすればするほど強くなる

不安は、逃げようとすればするほど追ってくるものです。

「仕事を失うかもしれない」という不確実なものに対して、不安を取り除こうとして答えが出るまで考え続けたり、自分を安心させるための理由を探しても、結局は振り出しに戻ってしまいます。

どうなるか誰にもわからないので、当然答えは見つかりません。頭は悩みで、心はモヤモヤとした気持ちでいっぱいになってしまいます。

予測することができない

不安がいつ来るかを予測することができれば、心の準備ができるものですが、不安がいつ起こるかは予測することができません。

心配性の人であれば尚更、仕事、友人関係、SNSでたまたま目にした投稿など、どんなことがきっかけで不安を抱くか考えることは難しいでしょう。

不安は不安を呼ぶ

不安を抱き、そのことを考えていると別の不安が重なってしまうことがあります。

例えば、「仕事を失ってしまうかもしれない」という不安について色々考えていくうちに、「担当のプロジェクトが予定通りに進んでいないから、クビになる可能性があるのかもしれない」「期待通りの結果が出せなかったらどうしよう…」「そういえばあの件、対応したかな…」といった不安が重なっていってしまうことがあります。

脅威から自分を守ってくれる

不安は人間を苦しめるばかりではありません。人間を脅威から守ってくれるというポジティブな特徴も持っているのです。

大昔、人間はマンモスをはじめ恐ろしい動物に襲われる不安を感じ、戦うあるいは逃げることで自分の身を守ることができていました。

また、現代においても、例えば災害が怖いから備えをする、受験を失敗する不安があるから勉強を頑張るなど、自分にとって必要な行動を取る上で重要な役割を担っています。

効果的な不安の対処法

それでは、具体的に不安をどのように対処すれば良いのでしょうか。具体的な方法は、大きく分けて3つあります。

1. 不安を消そうとするのではなく受け入れる

不安は予測することができず、取り除こうとすればするほど強くなるものです。そのため、不安を受け入れることが1つ目の対処方法です。不安を受け入れることで、脳は下記のことを学んでいきます。

  • 不確実性は危険ではない。受け入れられるものだ。
  • 心配が伴う行動は意味のないこと。心配していても、不安が現実になるのを止めることはできない。
  • 心配が伴う行動はその瞬間自分を苦しめるだけで、後の苦しみを防いでくれるわけじゃない。
  • 不確実なものには目を向けなくて良い。

これらを脳が学ぶことで、心配して傷つくことがなくなり、不確実なものから不安を抱えることがなくなります。

2. 自分のコントロールできることだけに集中する

不確実なものからくる不安は、誰にもコントロールできません。未来で何がどうなるのか誰にもわからないからです。

これに対して、自分でコントロールできることだけに集中すれば、不安と上手に付き合っていくことができます。

例えば「仕事を失ってしまうかもしれない」という不安に対して、仕事でより良い成果を出せるようにする・転職サイトに登録しておく・副業を始めてみるといったアクションを起こすのです。

3. 未来ではなく現在に焦点を当てる

起こるかどうかわからないことをずっと考えるよりも、今自分にできること・自分がすべきことに集中しましょう。

人は不安を抱えると、今この瞬間にしていることを忘れてしまい、モヤモヤが晴れるまで何も手につかなくなってしまいます。

繰り返しになりますが、不安に思っていることについて確実なことは何もわかりませんし、未来がどうなるかは誰にもわかりません。しかし、今現在自分がしていること・できること・すべきことに集中することはできます。

不安と上手に付き合って、今この瞬間を楽しむ

今回は、不安の特徴と効果的な不安の対処法をご紹介しました。

不安を抱えると気持ちが重くなるため、できれば持っていたくないものですが、不安があることで危険を回避できた経験がある人は、手放すことが簡単ではないでしょう。

適度な不安は自己防衛のために良いものですが、不安を抱えることで心身にネガティブな影響が出ている場合は不安障害など何らかの疾患の可能性があるため、すぐに専門機関を受診してください。

不安と上手に付き合って、今この瞬間を、そして毎日の生活を楽しめるようにしていきましょう。

「不安のコントロールができない…」不安障害の原因と治療法

reference: Psychology Today, TransHope Medical/ written by Cocology編集部

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