イエス・ノーの質問で相手と親しくなれる? クローズドクエスチョンの効果

イエス・ノーで答えられる質問のことを指すクローズドクエスチョン。クローズドクエスチョンはいったいどのような効果があるのでしょうか? 今回はクローズドクエスチョンの効果や活用法について解説します。
クローズドクエスチョンとは
クローズドクエスチョンとは、イエス・ノーで答えられるような質問のことです。これにより得られる効果を「クローズドクエスチョン効果」と言います。
クローズドクエスチョンの例として「最近、本を読みましたか?」「恋人はいますか?」「取引先からのメールに返信しましたか?」などが挙げられます。
クローズドクエスチョンの対義としては、イエス・ノーといった限定的な回答ではなく自由に回答してもらうオープンクエスチョンがあります。
「趣味は何ですか?」「なぜそう思いますか?」「誰と過ごしたんですか?」といった5W1Hを用いた質問がオープンクエスチョンです。
クローズドクエスチョンは会話を盛り上げるには向かないと言われることもありますが、クローズドクエスチョンにもさまざまな効果やメリット、活用法があります。
クローズドクエスチョンの2つの効果・メリット
クローズドクエスチョンには大きく2つの効果があります。
相手が質問に答えやすく、安心感を持ってもらえる
1つ目に、答え方がシンプルなことから相手が質問に答えやすく、安心感を持ってもらえる効果があります。
特に初対面の相手の場合にクローズドクエスチョンは有効です。初対面の場合は特に「イエス」の答えをもらうことが大切で、質問する→同意をもらうのパターンを何度か繰り返すことでその人とのあいだに信頼関係が生まれます。
たとえば、初対面の人と天気の話をする方は多いでしょう。「今日は天気が悪いですね」「そうですね」「午後には雨が降るんでしょうか?」「降るかもしれませんね」。こうした何気ない会話の中で自然にクローズドクエスチョンが行われており、信頼関係を築くきっかけとなっているのです。
回答の曖昧さを避けることで相手の同意を得やすい
2つ目の効果は、答えがイエス・ノーであることから相手の曖昧な回答を避けることができ、同意を得やすい点です。もし、あなたの中ですでに食べたいものが決まっているときは「ランチは何がいいですか?」とオープンクエスチョン形式で聞くよりも「和食が食べたいんですが、いいですか?」とクローズドクエスチョン形式で聞くほうが同意を得やすくなります。これは、話題をコントロールできることにもつながります。
クローズドクエスチョンのデメリット
一方、クローズドクエスチョンにはデメリットもあります。
会話が広がらない
クローズドクエスチョンは会話のとっかかりには有効ですが、より深く、広く話そうとするときには話が広がらない質問形式です。よっぽど親しい仲でない限りはイエス・ノーの回答だけで終わってしまいます。そのため、話を広げたい場面ではオープンクエスチョンも交えたほうがよいでしょう。
相手が尋問されているように感じることがある
ずっとクローズドクエスチョンで質問していると、相手は威圧感や圧迫感を覚えやすくなり、尋問されているように感じることがあります。そのため、上司や取引先といった人物やこれから親しくなりたい相手に対して多用することは望ましくありません。
クローズドクエスチョンの効果的な活用法
クローズドクエスチョンは、それ単体よりもオープンクエスチョンと組み合わせることで効果的に会話を盛り上げることができます。
基本的には、最初はクローズドクエスチョンから入り、オープンクエスチョンで会話を広げていきましょう。クローズドクエスチョンで会話のきっかけを掴み、オープンクエスチョンで盛り上げていくことで相手を深く知ることができると同時に共感を得られます。
また、最初にオープンクエスチョンから入って、クローズドクエスチョンで締める方法もあります。これはブレインストーミングのように自由にアイデアを出してもらいたい場面で有効です。オープンクエスチョンで最初に自由に意見を出してもらったあと「整理するとA、B、Cのパターンで間違いないですか?」「全体の方向はこれでいいですか?」とクローズドクエスチョンで答えを明確にしていきます。
クローズドクエスチョンを仕事でも恋愛でも効果的に使おう
クローズドクエスチョンは仕事において使えるスキルです。組織のマネジメント、商談などに活かすことができます。
また、仕事のほかにプライベートでも活用できるのがクローズドクエスチョン。恋愛においても話のきっかけとして使え、オープンクエスチョンと上手に組み合わせることによって気になる相手と親しくなることも可能です。
意識的にクローズドクエスチョンを使い、コミュニケーション上手になりましょう。