アルコールや恋愛、ネットも対象。「依存症」の原因と治療法
日常生活で色々なものに依存し、トラブルや借金問題を引き起こすのが依存症です。
依存症は、ものに依存する物質依存症と、行為やプロセスに依存する行為依存症、人間関係に依存してしまう関係依存症の3つに分類されます。
不安や恐れの感情を低下させるために、アルコールや薬物に依存する物質依存症。
ギャンブルや性行為、買い物、仕事などに依存する行為(プロセス)依存症。
そして、共依存症とも呼ばれる、恋人など人間関係に依存する関係依存症。
これらの依存症は、何かに対してやめたくてもやめられないほど依存してしまうことを特徴としています。
症状
依存症に陥ると、自分で自分の意志をコントロールできなくなります。
過度の飲酒は身体に悪影響だと分かっていても、アルコールをやめることができなかったり、借金をしてでも高価なアクセサリーなどを買ってしまったり。
あとになって後悔すると分かっていても、依存しているものや人から遠ざかることができなくなります。
一例として、買い物依存症の患者さんは、ショッピングによって、抑うつ気分を晴らすことができると考えている場合が多いとのこと。
そのため、一時的な高揚感を感じることのできる買い物に走ってしまいます。
原因
依存症には、意志の弱さが関係しているのでしょうか。
依存症には、意志の弱さではなく、脳内物質が関係していると分かっています。
アルコールや薬物、買い物を通して、快楽を感じたときにドーパミンという脳内物質が放出されます。
そして、ドーパミンの調節を行うセロトニンが低下していることが、依存症の原因ではといわれています。
依存症の方は、記憶を司る海馬などの脳の一部が縮小しているとも。
しかし、どのように神経伝達物質の異常や脳の変化が生じているのかは、未だに分かりません。
罹患率
アルコール依存症の疾患率は、男性1.3%、女性0.3%といわれています。
しかし、女性の社会進出が進むにつれて、女性のアルコール依存の患者さんの数は、増加傾向にあるとのこと。
ギャンブル依存症は男性に多く、買い物依存症は女性に比較的多く見られるといわれます。
治療法
どのように依存症は治療できるのでしょうか。
依存症の患者さんは、自分が依存症だと思っていないことが多い傾向にあります。
周りがいくら説得しても、依存を解消することは難しいかもしれません。
そのため、依存症が疑われるときには、医療機関で治療を行うことが必要です。
依存症の治療法として最も効果が期待されているのが、認知行動療法です。
例えば、患者さんが「買い物をすること」で「高揚感」を感じ、ショッピングに依存している場合、認知行動療法によって、買い物をしなくても高揚感を得られるという認知へと変化させます。
初めは、依存しているものから距離をとるのは、難しいかもしれませんが、諦めずに続けてみましょう。
まとめ
日常生活で、依存する対象はたくさん存在しており、誰が罹ってもおかしくないのが依存症です。
依存症は、意志の弱い人物が罹るものでもありません。多くの場合、脳での何らかの機能異常が関係しています。
ショッピングをしないと抑うつ気分が続いてしまうなど、依存症が疑われることがあれば、ぜひ医師と相談してみてください。