発達障害の原因と治療法

心理学 2020/02/18

発達障害は、自閉症(ASD)やアスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害に分けられ、対人コミュニケーション能力や、臨機応変さの低下などが認められるものです。

一般的に知的能力に問題は見られず、特定の分野においては逆に優秀な能力を持っている人もいます。

通常は幼児期や学童期に発症する発達障害ですが、うつ病などの二次障害を引き起こすまで気づかない人も多いようです。

そのため、社会人として社会に出てから、初めて困難を呈し診断されるというケースもあります。

原因

この発達障害の発症はどういうメカニズムで起こるのでしょうか。

原因として、生まれつき脳の一部の機能に障害があることが挙げられています。

生物学的な遺伝的原因だけでなく、幼少期の愛情不足などの社会・環境要因や、母親の妊娠中の健康状態など、様々な要因が組み合わさって生じると考えられています。

しかし、発達障害を引き起こすメカニズムの詳細については、未だに明らかになっていません。

症状

発達障害に罹ると、どういう症状を示すのでしょうか。症状ごとに見ていきましょう。

自閉症

「一つの物事に異常に執着し没頭する」「同じ行動を何度も繰り返す」「考えに融通がきかない」といったことが自閉症の特徴です。

会話でのコミュニケーションが苦手で、臨機応変に行動することができず、予期せぬ出来事に適応しにくい傾向があります。

さらに、誰か周りの人物が怪我をしたり、不幸にあったりしても、笑顔を見せてしまい、共感や同情心を示すことができなくなることも。

社会的コミュニケーション能力が欠乏し、社会生活をスムーズに行うことが不可能となります。

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群は、自閉症と同様、考え方に融通がきかないという特徴があります。

相手の気持ちや、場の雰囲気を汲み取ることができず、言われた言葉を文字通りに受け取ります。

他人に気を遣うことも苦手で、アイコンタクトができず、人の顔色を読むことができません。

さらに、楽しかったり、笑ったりするときにも、笑顔を見せることがなく、まるでロボットが話しているような平坦な話し方になります。

しかし、自閉症と比べ、IQなどの知能テストでは、比較的高い成績を取ることが多いため、気づきにくいことがあります。

注意欠陥・多動性障害

注意欠陥・多動性障害は、集中力がなくなる不注意や、じっとしていることができなくなる多動性、突発的に行動する衝動性を特徴とします。

注意力が続かず、行きあたりばったりの行動が目立ち、感情のコントロールが苦手な傾向も。

注意や自己制御を司る「前頭前野」の機能異常が生じているため、気が散りやすく、集中できなかったり、タスクを先延ばしにしてしまったりします。

その一方、新しいものを作り出す創造性が高い傾向があるともいわれます。

学習障害

知的発達には問題がないにも関わらず、読み書きや、計算能力などの、特定の事柄に対する学習能力に困難が見られる症状です。

さらに、教育的問題のみならず、コミュニケーション能力の欠如など、社会的場面での問題を引き起こします。

罹患率

自閉症

自閉症の患者は、約100人に1〜2人存在すると言われています。男性は女性よりも数倍多い傾向があります。

イギリスの発達心理学者シモン・バロン博士は、自閉症の症状は、多くが性別と関連していることから、自閉症児が示す共感性の欠如を、”過度な男性的な”脳を原因として挙げています。

この生物学的な背景として、ステロイドホルモンであるテストステロンの過剰分泌と自閉症の関係を支持する研究がありますが、未だに真実は明らかになっていません。

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群は、約4000人に1人が疾患すると言われています。男性は女性よりも多数見られます。

女性は、男性よりも、より後になってから、診断に至る傾向があります。

また、アスペルガー症候群でありながらも、自覚がなく、診断に至っていない人物もいるため、推定では、もっと多くの人物があてはまると思われます。

注意欠陥・多動性障害

注意欠陥・多動性障害は、主な症状が7歳までに現れ、罹患率としては、学童期の子供の3〜7%に見られます。

男性は女性よりも数倍多い傾向にあると言われています。

学童期に発症した場合、授業中じっとしていることができないなどの症状を見せ、十分な教育現場での理解なしには、周りを騒がせてしまうことにもつながります。

学習障害

学習障害は、2〜10%ほどだと言われており、文字の読みの困難さについては、男性が女性よりも多いという報告があります。

読字障害の場合、学業不振や、学習以外の意欲の減退、不登校などにつながるおそれがあります。

また、学習障害の子どもは、通常の一斉授業では、勉強の内容を理解できないことも多く、適切な対処が必要です。

治療法

自閉症、アスペルガー症候群

幼児期に診断された場合は、個別や小さな集団での療育を受けることで、コミュニケーションの発達を促すことができます。

自閉症を治す薬はありませんが、思春期や成人後に、うつ病などの二次障害がみられる場合、医師と相談してみるのもよいかもしれません。

注意欠陥・多動性障害

幼児期や児童期に診断された場合、薬物治療や生活環境の調整が行われます。生活環境の調整では、注意力を妨げる刺激を、できるだけ周りから遠ざけることが必要です。

また、一度にこなさなければならないタスクを少なめにしたり、こまめに休憩をとるとあらかじめ決めておくことも重要です。

学習障害

学習障害の子どもに対しては、教育的支援が効果的です。

文字を読むことが困難な場合は、指でなぞりながら読んだり、計算が難しい場合は、図に書いてみて視覚化するなど、その子にあった工夫が必要です。

HSPってなに?敏感で共感しすぎる人の特徴と生きづらさへの対処法

references: 厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」 / written by Cocology編集部

SHARE

TAG