「感情的知性」を高めて「感情」に飲み込まれない自分になる方法

心理学 2020/01/17

新年の祝賀ムードも落ち着き、いよいよ日常が戻ったことを実感する今日この頃。寒くて暗い1月は「ジャニュアリー・ブルー」いう言葉もあるほど、憂鬱(ゆううつ)になってしまう時期でもあります。こうした「感情」に飲み込まれないよう、「感情的知性(Emotional Intelligence、EI)」を高める重要性が今認められてきています。

EIを支える4つの能力

EIとは、感情を情報として活用し、考えや行動をコントロールするというアイディアで、以下の4つの能力に分類されます。

    • 自分自身と他者の感情を正しく把握する力
    • 感情を利用し、思考を深める力
    • 感情、感情の言語表現、感情から繰り出されるシグナルを理解する力
    • 特定の目標を実現に向けて感情をコントロールする力

今すぐ実践できる7つのステップ

誰でも学めば身につけられるEI。EIの高い人は職場でもより良いパフォーマンスを発揮できるとして、人材関連のワークショップなどでも注目を集めています。ここではワークショップに参加しなくても、今すぐ実践できるEIを高める7つのステップをご紹介します。

【ステップ1】感情に「ラベル」を貼る

私たちは不安を感じる時、それを直接口にせず「胸騒ぎがする」などと表現しがちです。しかし、あえて「不安」「失望した」と直接的な表現で感情に「ラベル」を貼ります。1日に何度か自分に「今どう感じている?」と問いかけてみてください。

【ステップ2】感情が「判断」に及ぼす影響を見る

いったん感情に「ラベル」を貼ったら、これが自分の考えや行動にどう影響するかを見つめます。ラベルが「悲しい」と表示している時、あなたはせっかく手にしたチャンスを過少評価しているかもしれません。一方、ラベルが「かなり興奮している」と表示しているなら、チャンスを過大評価し、マイナス面を考慮しないままにリスクを負いかねません。感情が判断に及ぼす影響を理解できれば、自分のロジックと感情の間にバランスが生まれ、より良い選択ができるのです。

【ステップ3】感情が「味方」か「敵」か見極める

同じ感情であっても、助けにもなれば、その反対にもなり得ます。どんな時も「ラベル」を貼った感情が「味方」なのか「敵」なのかを考察します。例えば、あなたが親しい人を失い、「悲しい」という感情がその人への敬意を思い起こさせるなら、それは「味方」です。しかし、生きる意欲を減退させているなら「敵」なのです。後者の場合、自分の感情を調整するためにできることを試します。数分間のメディテーションで落ち着きを取り戻せるかもしれませんし、短いウォーキングで気分が少し上向くかもしれません。

【ステップ4】感情に責任を持つ

同僚のせいで自己嫌悪に陥るとか、上司のせいで機嫌が悪いと言う時、私たちは感情を他人にコントロールさせています。自分の感情に対処する能力とは、感情に対する全責任を受け入れることでもあります。「あの人が私を怒らせる」と思うより、「あの人が今やっていることは気に食わない、私は腹が立っている」と思うようにしてみます。

【ステップ5】他者の気持ちに気づく

他者がどう感じているかを理解することは、EIを高める鍵です。他者の気持ちに気づけば、感情が人の見方や行動に及ぼす影響について理解が深まり、意見の異なる人の言葉を遮ったり、すぐに言い合いになることは避けられるようになるのです。

【ステップ6】「デジタル・デトックス」を試してみる

ある調査は、スマホの存在が恋人と時間を過ごす際に親密さを抑制したり、信頼を損なったりすると報告しています。また行き過ぎたデジタル端末の利用は、他者の気持ちを読み取り、理解する能力を弱めます。数日でもこうした端末から離れる「デジタル・デトックス」もEI向上の一助となります。

【ステップ7】振り返りの時間を持つ

毎日の終わりに、きょうの自分の前進ぶりを振り返ります。「きょうはイライラしたあの同僚とうまく関われただろうか」。そしてありのままの自分自身を認めます。もしかすると改善点が見えてくるかもしれませんが、こうした点に注意を向け学ぶことで、次はより良く関われる自分になれるのです。

世界的ベストセラーとなった『エモーショナル・インテリジェンス(邦題『EQこころの知能指数』)』の著者ダニエル・ゴールマンは、「問題は感情自体ではなく、感情とその表現の“適切性”」だと指摘します。希望と目標を胸に新たな1年を生きようとする私たちは、EIを高めることで、感情を上手にコントロールし、この「適切性」をきっと確保できるはずです。

心の知能指数【EQ】を養う5つのスキル「R.U.L.E.R.」とは?

references: psychologytoday, ダニエル・ゴールマン『エモーショナル・インテリジェンス(邦題『EQこころの知能指数』)』 / written by Cocology編集部

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