自己開示で信頼を得て、人間関係や恋愛を成功させるためのポイント

自己開示とは、自分がどういう人間かを他者に知ってもらうために自分自身を顕にする行動のことです。たとえば、自己紹介の際に自分の好きなことや出身地について語ることも自己開示の一つです。
自己開示とその効果って?
自己開示の効果として、人間関係をよりよいものにする点が挙げられます。プライベートなことなど、相手にとって大切な情報を伝えてもらうことで「私はこの人から信頼されているんだ」と感じ、心を開いていきます。すると、自己開示された側も自身に関する大切な情報を伝え、親密な仲となっていくのです。
このように、自己開示をすることは恋愛や仕事などあらゆる人間関係を良好にするのに重要なのです。
自己開示は恋愛成就のカギ
自己開示は恋愛を成功させるために必須。自己開示によってお互いのプライベートを見せ合うことで、相手との距離が縮まります。
自分の好きなことや将来の夢といったポジティブな話題はもちろん、自分の苦手なことや悩みなど一見ネガティブなことも自己開示することによって、相手はあなたが心を許してくれたと感じ、惹かれていくのです。
日本人には自己開示が苦手な人が多い?
このように自己開示はコミュニケーションにおいて大切なものですが、中には自己開示をすることに苦手意識を感じる人もいます。ある研究では、日本の若者は表層的な自己開示のみで、より深い自己開示を行わない傾向にあるとも言われています。
その理由は「こんなことまで話したら相手に嫌われるんじゃないか」「悩みを打ち明けたら相手も落ち込んでしまうのでは」などと思って、深い自己開示をためらうからです。
また、日本には察する(空気を読む)文化があるために深い自己開示をしなくても、自分の思いを敏感に察知してくれるからとの指摘もあります。
普段から自己開示をする機会が少ないために、いざ自分のことを話そうとすると苦手意識を感じる人も日本には少なくありません。
自己開示への苦手意識を克服するため2つのポイント
「自分のことをどこまで話していいのかわからない…」と自己開示に苦手意識を感じたら、まずは日々の会話の中で次の2つを意識してみましょう。
相手への思い込みを捨てる
自己開示が苦手な人の多くは、相手の反応を敏感に察知しすぎて遠慮してしまいます。まずは「この話をしたら嫌われるかもしれない」などといった相手への思い込みを捨てましょう。
もちろん、信頼関係が築けていないのにいきなり性的な話をするといったことはよくありません。
「この人と仲良くなりたいからまずは自分から信じてみよう」という意識を持ち、ネガティブな思い込みを捨て、自分のことを話してみましょう。
相手から聞きたいことを自分から話す
相手もなかなか自己開示をしてくれないと感じるケースもあります。しかしそれでこちらも黙っていては、なかなかよい信頼関係を築けません。そんなときは、相手から聞きたい話題についてまずは自分から話すようにしましょう。
たとえば、趣味について話したいときは「私はキャンプが好きで、週末はキャンプに行くんです。それも一人で行っちゃうくらい好きで…。○○さんは何か趣味はありますか?」というふうに、まずは自分から自己開示をしてみましょう。
そうすれば、相手も自然に自分のことについて話すことができます。
自己開示しすぎてしまう場合
中には、自己開示をしすぎる、つまり自分のことについて話しすぎてしまう人もいます。そんなときは、以下のポイントを意識してみましょう。
- 相手に質問してみる
- ちょっと話足りないと思うくらいで自分の話を切り上げる
そのほかには、相手の話をさえぎりたくなってもしっかりと最後まで耳を傾け、相づちを打つなど相手に関心を持っている姿勢を示すことが大切です。
積極的な自己開示で、親しくなりたい人ともっと親しくなろう
自己開示をすることは難しいことではありません。思い込みを捨てて少しの勇気を持つことで、案外相手もすんなりと受け入れてくれることは多くあります。自己開示のスキルは、恋愛だけでなく、仕事でも役に立ちます。適切な自己開示で、親しくなりたい人ともっと親しくなりましょう。
丹羽空、丸野俊一「自己開示の深さを測定する尺度の開発」パーソナリティ研究18巻(2010) 3号,p196-209
岡本佐智子「日本人の自己紹介における自己開示」北海道文教大学
和田実『青年の対人関係の変容 』
久世敏雄(編)『変貌する社会と青年の心理』福村出版 p. 83-102