職場の人間関係を円滑にするウィンザー効果とは?

職場の人間関係で悩みを抱えていると、仕事以外のことに頭を働かせなければなりません。特に苦手な上司がいたり性格が合わない同僚がいると、毎日がつらくなり、仕事までイヤになってしまうこともあるでしょう。
リクナビNEXTの退職理由の本音ランキングを見ても、3位に「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」がランクインしています。
1位の「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」、6位の「社長がワンマンだった」を合わせると43%ですから、実にたくさんの方が、人間関係で悩みを抱えていることが分かります。
今回は「職場の人間関係を良くする方法」として、ウィンザー効果をご紹介します。
ウィンザー効果ってなに?
ウィンザー効果とは、「本人が直接伝えるよりも、第三者から伝わる内容の方が信頼されやすい」という心理効果です。
アメリカ生まれの作家、アーリーン・ロマノネスの著書『伯爵夫人はスパイ』(原題:The Spy Went Dancing)が由来となっています。
作中、ウィンザー伯爵夫人による「第三者の誉め言葉がどんなときにも一番効果があるのよ、忘れないでね」というセリフがきっかけと言われていますね。
商品のクチコミもウィンザー効果
一般的に良く知られているウィンザー効果として、商品やサービスのクチコミがあります。
自社の商品に対して、「この商品はとても良いですよ!」と企業側が言っても、すぐには信じられませんし、あまりにしつこいと、逆に怪しい印象を与えてしまうかもしれません。
でも、商品を購入した人が「この商品はおすすめです!」と本音で語っていれば、信頼性はアップするでしょう。
今もクチコミサイトの人気は高く、はじめて行くレストランのクチコミは必ずネットで調べるという方も多いのではないでしょうか。
人間関係を良くするきっかけがほしい
そのようなウィンザー効果ですが、職場の人間関係を良くする方法としても使えます。
冒頭でお話ししたように、人間関係のトラブルが退職のきっかけになることは多いです。
「気にしない、気にしない」と思っていても、毎日苦手な相手と顔を合わせるのは苦しいですよね。
「人間関係を円滑にするきっかけがほしい」と思いながら、昨日と同じ態度を取ってしまう、なかなか関係が改善されない…というケースは良くあります。
体験談: 同じ職場に苦手な人が…→ウィンザー効果で関係改善
ここで、ある体験談を紹介します。
Aさんは同じ職場に苦手な人間がいました。同性で年上の上司です(仮にBさんとします)。
仕事中に怒鳴るようなタイプではありませんが、ネチネチと回りくどいタイプです。割り切って付き合おうと思っても、毎日職場で顔を合わせるので、Aさんはとてもつらい状況。
人間関係を改善したくても、どうしても性格が合わない、仕事以外は会話がない…そんな日々でした。
自然に実践していたウィンザー効果
その職場には、おしゃべり大好きな同性の先輩、Cさんもいました。
CさんとAさんは相性が良かったので、話す機会も頻繁にあります。
そんなCさんから、ある日、Bさんのことを聞かれたのです。
「Bさんのこと、どう思ってる?」
きっとBさんとAさんの関係がギクシャクしていることを知って、聞いてくれたのでしょう。
「あまり上手くはいってないけど…」とAさんは答えて、その後にこう続けました。「Bさんのこと、尊敬していますよ。とても仕事熱心だし、学ぶことが多いです」
その日を境に、少しずつ、Bさんの態度が変わっていきました。
おしゃべり大好きなCさんが、私の言葉をBさんに伝えたらしいのです。
もちろんBさんの性格が劇的に変化したわけではありません。
相変わらずネチネチ言ってくるのですが、以前よりも言葉にトゲがなく、視線がやわらかくなったんですよね。
そして休憩時間にBさんの方から、プライベートの話しを振ってくれたり、そこから少しずつ、関係が改善されていきました。
そのときはウィンザー効果という言葉を知りませんでしたが、自然に実践していたわけです。
ウィンザー効果のポイント
ウィンザー効果のポイントに以下があります。
「たとえ第三者からの言葉でも嘘はいけない」
AさんはBさんの性格は苦手でしたが、仕事が出来る方なので、尊敬していました。
そのことを素直にCさんに伝え、CさんからBさんの耳に入り、人間関係がスムーズになったのです。
あのとき、もし、「Bさんの性格が好きなんです!」と嘘を吐いていたら、関係は改善されなかったでしょう。
「性格は合わないけど、仕事面は尊敬しているのかな?」と、Cさんという第三者を介し、Bさんが思ってくれたからこそ、改善されたわけですね。
以上がウィーザー効果の実例です。
職場の人間関係を円滑にする方法として、ぜひ試してみて下さいね。