HSPってなに?敏感で共感しすぎる人の特徴と生きづらさへの対処法

HSP(Highly Sensitive Person ハイリー・センシティブ・パーソン)とは生まれつきの特性のひとつで、人一倍繊細な人のことです。
周囲に共感しすぎてしまい傷つきやすく敏感である特性から、「生きづらさ」につながってしまうこともあります。
この記事では、HSPの特徴とHSPからくる生きづらさへの対処法についてお伝えします。
HSPとは
HSP(Highly Sensitive Person ハイリー・センシティブ・パーソン)は、一言でいうと人一倍、繊細な人のことを指します。HSPは1991年にエレイン・アーロン氏によって提唱された概念で、全人口の15〜20%にみられる特性です。
この特性は生まれつきであり、ヒトだけでなく鳥、魚、イヌ、ネコ、ハエにいたるまで多くの生き物に存在していることがわかっています。
HSPの特徴
HSPには4つの特徴があります。それらの頭文字をとって「DOES」と呼ばれます。
注意深く考えてから行動する
HSPの人はとても思慮深く、少し見聞きしただけでもその先のことまで考えることができます。普通の人の考えが及ばないところまで考え、周りが驚くこともあるでしょう。
刺激に敏感に反応する
HSPの人は、周囲の刺激に敏感に反応し、それに人一倍疲れてしまいます。人混みが苦手だったり、多少の物音で驚いてしまったりというふうにです。また、友人と遊ぶなどの楽しい時間であっても、どこか気疲れしてしまうことがあります。
共感しすぎてしまう
HSPの人は共感力が高い人です。自分が怒られているわけではないのに、それを自分のことのように感じてつらい気持ちになってしまう、本や映画などの登場人物に感情移入してしまうなどです。
感覚がするどい
感覚のするどさもHSPの特徴です。まぶしい光が苦手、エアコンの音などちょっとした機械音が気になるなどです。一般的な人が気にならない部分まで気になってしまい、それが生きづらさの原因になっていることがあります。
HSPは病気ではない
HSPは病気ではなく、生まれ持った特性です。ただ、人口に対して少数派なだけで、周囲の理解が得られていないだけなのです。
発達障害やうつ病に似た特徴があるため、それらと誤解されることもあります。
しかし、HSPの人が日々のストレスなどからうつ病を発症することもあるので、ゆううつな気分が長期にわたって続くなど気になる症状がある場合には医師に相談しましょう。
HSPの人が陥りがちな「思考のクセ」とその対処法
HSPの人の中には、その敏感で共感しすぎる特性から生きづらさを抱えている人も少なくありません。しかしその生きづらさは、自身の思考のクセを知ることである程度改善することができます。
以下が、HSPの人が陥りやすい10の「思考のクセ」です。
- 全か無か思考:物事を白と黒のどちらかで考えてしまう。
- 一般化のしすぎ:ひとつのよくない出来事があると世の中全部がそうだと考える。
- 心のフィルター:ひとつのよくない出来事にずっとこだわってしまう。
- マイナス化思考:日々のよい出来事を無視し、悪い出来事ばかりを考える。
- 結論の飛躍:根拠なく悲観的な結論を出す。
- 拡大解釈と過小評価:自分の失敗を大げさにとらえ、長所を過小評価してしまう。逆に他人の成功を過大評価し欠点を見逃す。
- 感情的決めつけ:自分のゆううつな感情は現実を実際に反映していると考える。
- すべき思考:何かをするときに「〜すべき」「〜すべきでない」と考え、そのとおりにしないと罰を受けるように感じる。
- レッテル貼り:一般化のしすぎの極端な形。ひとつのミスでも「自分はダメな人間だ」と考えるなど。
- 個人化:よくないことが起きた際、それが自身の責任でなくても自分のせいだと考える。
疲れたり、自分には価値がないと感じたりしたら、この10のクセのどれかに思考が偏っていないか、一度考えてみましょう。
紙にそのゆううつな出来事を書き、1〜10のどれにあてはまるか(複数当てはまることも多い)書き出してみると、自分の考えを客観視できます。
HSPはひとつの個性
HSPは敏感で傷つきやすいために生きづらいと感じることもある反面、よいところもたくさんあります。周りが気が付かないところまで気にかけることができるため、気配り上手であったり、リスクを回避できたりします。
相手の気持ちを察することができるため、子どもや動物とのコミュニケーションも難なく取れる傾向もあります。
HSPの特性を知り、適切にその思考のクセに対処できれば、HSPは立派な強みになります。生まれ持った個性と自分を大切にし、対処法を実践してあなたらしく生きましょう。