日常ですぐに使える6つの心理効果「高すぎるモチベーションはNG」

人の心は、話し方や状況を変化させるだけで、簡単に騙されてしまいます。
こうした心理トリックを悪用する詐欺師やセールスマンもいますが、事前に知っておけば、身を守ることも可能です。
また、心理トリックを逆手に取ることで、ライフスタイルの向上に役立てることもできるでしょう。
そこで今回は、日常の中で私たちがよく遭遇する心理トリックを6つ紹介していきます。
1.モチベーションは「ほどほど」が一番効率的

モチベーションは、目標を達成できるか否かに強く影響します。当然ながら、モチベーションが低ければ、良い結果は出せません。ところが、モチベーションが高すぎると、生産性が大幅に落ちることが分かっています。
これを「ヤーキーズ・ドットソンの法則」と呼びます。
例えば、大きな賞金や賞品がかかっている勝負などでは、かえって緊張しすぎて自分本来の力が発揮できません。過剰なストレスと緊張は、目標の達成からあなたを遠ざけてしまうのです。
よって何か目標を立てるときは、自分へのご褒美を豪華にしすぎないようにしましょう。
「こんなに速く走れるなんて思わなかった」「賞金5000ドル、絶対勝たなきゃ!」
2.「良いことのほうが起こりやすい」と思ってしまう

人は日常の中で、悪いことよりも良いことの方が起こりやすいと考える傾向を持ちます。
1988年のある実験で、大学生を対象に、良い事と悪い事(成績が上がる、病気にかかる.etc)が全部で42個記載されたリストを渡し、それぞれの項目について、自分に起こりそうなことと起こりそうにないことを評価づけしてもらいました。
その結果、学生たちは「良いことの方が起こりやすいと思う」心理傾向を示しました。
この効果は例えば、万が一のために貯金しておこうとしても、その「万が一」がどうせ来ないと思っているから貯金できないケースや、態度が悪くなった恋人に対し、「いつか好転するだろう」と考えるから別れが切り出せないケースに当てはまるでしょう。
3.内容が間違っていても自信満々に話せばOK?

これは、演説家やセールスマンがよく使う心理トリックです。
自分が話している内容の矛盾や間違いをうまく隠して、良い部分だけを自信を持って話します。大学生2クラスを対象にした実験で、この効果が証明されています。
一方のクラスでは、話者が「フォックス博士」という人物になりきって、言葉巧みに講義をします。しかし、話す内容は矛盾だらけです。もう一つのクラスでは、内容は正しいですが、話しぶりのたどたどしい講義をします。
すると、学生たちはフォックス博士の話の方に興味を持ち、話を信じたのです。相手が自信満々でも、話の内容はよく吟味しましょう。
4.貯金をするにはお札を活用

人は買い物をするとき、金額の大きな紙幣よりも小さな小銭を使おうとする傾向があります。
ある実験で、大学生のグループ全員に1ドルを与えました。その際、学生の半分には1ドル札で、もう半分には25セント硬貨4枚で与えました。
その後、学生に対して、1ドルを貯金するかお金を使うか選択してもらったところ、お札のグループは貯金し、コインのグループはお金を使う傾向にあったのです。
ですから、もし外出先で無駄遣いを防ぎたい場合は、小銭や千円札を減らして、1万円札を持ったほうが良いかもしれません。
5.周囲の状況で良いも悪いも自在?

コントラスト効果は、私たちが見る対象が、単体である場合と他のものと比較される場合で印象が大きく変わる心理現象を指します。
これは日常の中で頻繁に起こっていることです。
例えば、1人でいるときには気にならない相手が、(失礼かもしれませんが)あまりかっこよくない/カワイイと思わないグループに混ざっていると、急にイケメンに見えたり、美人に見えたりしませんか。
うまく使えば、気になる相手に自分を強く印象づけることもできます。
6. 一回合意すると、約束が変わっても欲しくなってしまう

「ローボール効果」は、私たちが何らかの約束や契約に合意した状態で起こる現象で、のちにその合意内容が変わっても、すでに合意したものは欲しがってしまうのです。
これはセールスや相手を説得する場面で多用されるテクニックになります。
心理実験では、ある学生グループに、午前7時という早朝に行われる実験に参加するかどうかを尋ねました。その際、8割の学生が参加を断っています。もう一方のグループには、実験の開始時間を知らせずに、参加するかどうかを尋ね、56%の同意を得ています。
同意した後で、早朝7時の開始を知らせると、新たに断った学生は1人もおらず、同意した学生の95%が実験の日にちゃんと現れたようです。
ここで紹介した6つの心理トリックは、私生活の中で簡単に実践できるものばかり。くれぐれも悪用はせず、自分の生活習慣の改善に活用してくださいね。