失敗よりも「成功」からのほうが多く学べる

心理学 2019/11/18
Cedit: depositphotos

「失敗は成功の母」。

子どもの頃から何度も聞いてきたこの言葉。失敗したときほど多くの教訓を得られるとし、非常に勇気づけられる言葉です。

しかし、新たな研究がこの決まり文句に疑問を投げかけています。シカゴ大学の研究者らによると、失敗よりもシンプルに「成功」から学ぶことのほうが多いとのこと。

人間失敗はしないに越したことはありませんが、なぜそう言えるのでしょうか。

失敗からは学びにくい

世間は失敗に寄り添う論調であふれています。エライ人のスピーチではしばしば「失敗を恐れず立ち向かうこと」の重要性が語られ、職場の上司もあなたに個人的な失敗談を話題にして、そこから学んだことを意気揚々と語ることでしょう。

しかし、研究者たちはこの風潮に待ったをかけます。

彼らは1600人以上の被験者を集め、2択の問題から正解を選んでもらう5つの連続した実験をおこないました。そのうち1つはテレマーケティング担当者に「米国企業は粗末なカスタマーサービスのせいで、年間どれほどの損失を被っているのか」と尋ねるもので、用意された答えは「およそ900億ドル」か「およそ600億ドル」です。

Credit: pixabay

回答後にはフィードバックがおこなわれました。選択肢は2つしかないため、被験者の回答が正しくても間違っていたとしても、フィードバック後にはどちらが正解なのかは明白です。

そこで次に被験者たちには、フィードバックから学ぶことができたかどうかの再テストが課せられました。

すると、最初の設問で不正解だった人々は、一貫してフィードバックから学ぶことが少なかったことが分かったのです。また、たとえタスクをより簡単なものに変えたり、被験者にフィードバックから学ぶことを奨励しても結果は同じでした。

つまり、間違った回答によってフィードバックを受けた人々は、その後にあまり正しい答えを覚えようとはしなかったということです。

人の失敗からは学べるが、自分の失敗は難しい?

別の実験では、研究者らは被験者の「エゴ」を取り除いてみることにしました。つまりそこでは、自分の成功・失敗ではなく、他人の結果をみた後でフィードバックがおこなわれました。

すると興味深いことに、自分自身が失敗したときにフィードバックから学ばなかった人たちが、他人へのフィードバックの場合は、成功であっても失敗であっても同じ程度に結果から学んでいたことが分かったのです。

Credit: pixabay

これはつまり、失敗から「自分のエゴ」を切り離すことができれば、人は失敗を冷静に見つめてそこから学ぶことができるということです。

研究をおこなったアイェレット・フィッシュバック教授は、「これらの実験から、これが実は自尊心の問題であることが分かります。失敗でいい気分がする人はいません。だから私たちはそこから注意を逸らそうとするのです」と語っています。

研究から分かるのは、ただやみくもに失敗に飛び込んでも学ぶことはないということ。失敗した「恥ずかしい自分」を真摯に見つめることができる人だけが、失敗から学ぶことができるということなのでしょう。

自分の性格を知るための4つの方法

「報連相」ができない・苦手な人の3つの対処法 「豆腐メンタル」でもできる!

reference: futurity / written by なかしー

SHARE